本研究室では 3つの優先課題に取り組んでいます。
本研究室で取り組んでいる課題は3つです。
①会計プロフェショナル(職業会計人)に対する直接的、間接的な貢献
②会計を利用する一般の人たちに対する直接的、間接的な貢献
③社会、地域全体に対する直接的、間接的貢献
です。
会計プロフェショナルへの貢献では、職業会計人がよりよい会計実務を行えるようなリソース(資源)を提供することが必要です。それは私自身が行う研究もあるでしょうし、他の人が行っている研究を紹介することもあります。
こうした会計プロフェショナルな人たちは、日ごろの実務・業務に時間を多くとられているために我々のように研究書を読むことは難しい状況にあります。こうした人たちに役立つリソースを提供すること。それがなければ、今後の会計実務の発展はないでしょう。
もう一つは会計を利用する一般の人たちに対する貢献です。これは会計というのは非常に有用なツールである一方、複雑で分かりにくい、というイメージも先行しています。社会インフラとしての会計の有用性、面白さを伝えていくこと。それを優先課題としています。
そして、最後は社会、地域全体に対する貢献です。ここでいう社会は日本だけではなく、世界に対して、です。本研究室は常に世界目線で物事を考える、ということを実践していきます。これは何も英語で書くということだけを意味しているのではありません(まだ英語のページが未整備ですが汗)。目線の違いということです。ローカルであれ、グローバルであれ、我々は共通の多くの課題を抱えています。図らずもCovid-19はそのことを明らかにしたのではないでしょうか?そうした中で、会計は社会、地域にどう活かされていく出来なのでしょうか?下の記述にも書きましたが、会計は社会インフラでもあり、ハブ(繋ぐ)機能があります。会計を通じて、より豊かに生きることが出来る。
私はそのように考えています。
もし何らかの形で研究活動に興味がある、という方はお気軽にお問い合わせください。
ueno(アットマーク)u-shizuoka-ken.ac.jp
会計を社会的課題の解決に役立てる
本研究室では、『会計を社会的課題の解決に役立てる』ということをテーマに掲げ、活動しています。なぜ会計学について研究(勉強)する必要があるのでしょうか?
“会計とはビジネス言語”といわれています。例えば、新聞、ニュースサイトなどで、有名企業(トヨタ、アップル)の売り上げや利益に関する記事を見かけることがあります。そうした数値は会計のルール(会計基準)に基づいて算出されています。もし会計のルールがなかったら、企業同士を比較できなくなり、どの企業がどれだけの売上、利益を稼いでいるのかわからなくなります。会計は社会的なインフラである、といわれるのはこのためです。会社内部においても会計は重要です。経営者はよい意思決定を行うために各部門の利益や売上の数値を正確に把握しておく必要があります。またその利益や売上の数値を利用して報酬システムを設けることで、各従業員に売上、利益拡大の動機づけを与えることが出来るでしょう。
教育上、私が重視しているのは以下の点です。
本研究室は、マーケティング、経営でも政策系のゼミでもないありません。では上野研究室が出来る強みは何なのでしょうか?それは会計力の育成にあります。
『会計力とは何か?』(私なりの定義)
企業の財務諸表から企業の状況を判断し、的確な判断を出来る能力です。もしくは会計的な思考(仕訳、B/S,P/Lの連結)から何が問題であるかを、あぶりだすことが出来る能力です。会計数値を通じて会社の財政状態、経営成績を俯瞰することが出来る能力ともいえます。では、会計力はどうやって培うことが出来るののでしょうか。以下のスキルが必要になります。そのためのトレーニングを行っていくのが教育上の方針です。
- 基本的な仕訳、B/S、P/Lの連関を理解している。
- 会計の概念(抽象概念としての理解)を修得した上で、個々の会計基準について詳しくなっているか。
掛け合わせで強くなる会計力:
会計だけでは単なる会計に詳しいオタク、数値屋になってしまいます。会計力が活かされるのは掛け合わせです。たとえば、税務について詳しくなると、会計だけでなくタックスマネジメントも含んだ企業の将来計画に携われるようになる(ただし、このレベルまで行くには大学院での学習と実務経験が必須です)。会計監査業務に携わることができれば、企業全体の機密情報に触れる機会が多くなる。つまり、企業全体を俯瞰する能力が身につく(ひとつのセクションでは見えないことが分かってくる)。会社の経営者と対等にやり取りすることで、専門職としてのコンサルティング能力、コミュニケーション能力も活かすことが出来ます。
税務×会計、経営学×会計、経済学×会計、マーケティング×会計、統計学×会計
保険論×会計などなど。
もう一つ専門があることで、会計を活かすことが出来ます。